2005年11月05日
 

ホワイトバンドについて

鬼喜王子です。

最近、十二時に来てくれているお客様の中にも、ホワイトバンドをつけている人が増えています。
実は僕・鬼喜王子はこのホワイトバンドというやつが大嫌いであります。
しかしながら、好き嫌いやことの善し悪しを別にすると、これを考えた奴は頭がいいなぁ、うまいことを考えたもんだなぁ、と感心せざるをえません。

寄付をはじめ慈善事業というのは、どこかうさん臭い、偽善的な臭いがします。ひとことで云うと、かっこ悪い、美しくないものであります。
いみじくも美意識のカタマリであった三島由紀夫は、「人に同情されるのは一番キライで、同情するのは2番目にキライ」といって、赤い羽共同募金の前を素通りし女学生に「あの人ケチね」と云われることを無情の喜びとしたそうです。

このかっこ悪いものを、アクセサリー化し有名人を起用することで一気にオシャレにしてしまったこの手法は、見事という他はありません。
過去これほどスマートにチャリティー募金を成功させた例はないのではないでしょうか?

僕がホワイトバンドを嫌っているのは、この手法がつけ込んだ人間心理の醜さのせいであります。有名人と同じことをしたいという心理はまぁわからんでもないですが、高々300円で「いいことをした」と悦にひたっていたり、それを見せびらかす心の矮小さが許せない。
世の中には毎月10万円を匿名で孤児院に寄付しているヤクザだっているのです。良い行為というのは本来隠れてやるものなのです。それが格好良さというものです。

三島は最期には自衛隊に突入し公衆の面前で割腹自殺をした大迷惑人でありますが、その生き様と著作、発言は、これからの日本人が美しく生きるためにはどうすればよいかをはっきりと示してくれています。

寄付とは格好悪い行為でありますが、本来は尊い行為であります。
もちろんカネを集める方としては、寄付金を集めることがまず第一に大事なことは理解しますし、ホワイトバンドを身に着けている人を否定する気もありません。
ですが寄付をファッションとして身につけるよりは、三島のように敢えて募金運動の前を素通りすることの方に好ましさを覚えてしまうのです。

Posted by kiki at 05:14 |

コメント

 

全く同感です!
慈善事業は素晴らしいことですが、よく内容や目的、さらには寄付金の流れも知らずに、周囲が参画してるからとか、着けてる事が何となしにカッコイイから..とかで所謂「流行り」ではねぇ。
アメリカの「ONE Campaign」はAIDSや貧困など、世界が抱える問題に関してアメリカ国内での社会的認知拡大を図るために始まりましたが、最初から非常に明確に趣旨を伝えていました。
しかし、ホワイトバンドは当初「貧困をなくそう」という触れ込みでまるで募金・寄付金のようなイメージをもたせて(募金なんて言葉は使っていないって言ってるけど、自然にユーザーがそう思ってしまう公示→それ自体「問題」ですよね)実際は売上の40%が流通費、30%が製品原価、30%はNPO職員の給与・備品購入費・飲食費などで募金枠は存在しない訳です。
最近かなりその事で叩かれ始めているので、慌てて趣旨と売上金内訳をグラフなんかにして発表してますが。
目的不明瞭にして募る企画側・使途不明であるのに流行りだから参画する側、なんか良いことしたと気持ちよくなっている人達..
慈善事業に水差すつもりはないけど、これはあくまでも個人的な意見ですが「気に入らない」ですね。
王子さんの「鳩出し」の方がよっぽどクリーンに平和貢献へのイメージアップに寄与してるのでないでしょうか!
(王子さんに募金したら一度に10羽出してくれますか?)
今日はちょっとコメントに燃えました。

Posted by Piyo : 2005年11月05日 10:42
 

出しましょう!
平和貢献へのイメージアップにつながっているかどうかはわかりませんが…。
80年代に活躍したTalking Headsというバンドのコンサート映画で「STOP MAKING SENSE」というのがあります。
ある日のライブ映像を撮っただけなのですが、人種や性別を超えてみんなが楽しんでいる、融和がそこにあります。アートに徹しているが故にそれは普遍的で、今見ても素晴らしい映像です。
貢献なんて肩肘はってやるもんじゃないですよね。
Band AidとかUSA for Africaとかありましたけど。

Posted by kiki : 2005年11月06日 08:32
 

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