2007年05月30日
 

今更ながら…

鬼喜王子です。

今更ながら、2006年度のベストセラー『国家の品格』(藤原正彦・新潮新書)を読みました。
僕はこういう流行モノにはなるべく手を出さないようにしています。というのは、こういうものは、本当に時代の要請によって出現したもので100年後も評価されうるものなのか、それともただ熱病に浮かされたように浮薄なもので、10年後は誰も覚えていないようなものなのか検討もつかないからです。後者のようなものに対してはなるべく時間を割きたくないというのが本音です。
(そういえば村上春樹の小説に出版後20年後だか作者が死んでから20年後かしないと本を読まないという人がでてきましたっけ)

この『国家の品格』も読むつもりはなかったのですが、ひょんなことから手に入ったので読んでみたのですが、正直、100年後も評価される本なのか、10年後に忘れ去れてしまうものなのか見当もつかない。
ただ今の日本、そしてそこに生きる日本人としての自分を考える上では、大変に刺激的な本であったことは間違いないです。

読んだ方はお分かりだと思いますが、大変過激な内容で、幾分差し引いて考える必要はあるのですが、個人的な意見としては、日本が今後すすむべき方向としては100パーセント支持したい、少なくとも今の安部政権よりはもっとマシな国を作ってくれるような内容であります。
この本の中で「日本人の美意識・道徳規範」というのを大変高く評価しているのですが、おりしも2007年度のミス・ユニバースは日本人の森理世さんが選ばれました。
これは日本人の精神美が評価されたこともさることながら、欧米中心の価値評価の基準が揺らいできたこともあるのではないかと思うのです。
(もちろん、日本人の体型が欧米人に近づいてきたというのもあると思うのですが)

またここに日本人が世界で活躍するためのヒントも隠されているのではないかと思います。
どの分野でもそうですが、ナンバー1よりオンリー1、というよりは、ナンバー1=オンリー1です。よく言われるように、日本人が欧米人の真似をしても、絶対に彼らに敵うわけがない。コピーは所詮オリジナルにかなわないのです。
僕たちは僕たちが持っているもので勝負すればよい。頭のよさとか、桜を愛でる美意識とか、礼儀正しさとか。別に着物を着てどうこうしなくてもいいと思うのです。

『国家の品格』は、そういう点で、大変刺激的な本であります。

Posted by kiki at 18:44 |

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